草刈機の刈刃を選ぶとき、「ナイロンコードとチップソーはどちらがよいの?」と迷う方も多いのではないでしょうか。
ナイロンコードとチップソーは、得意な草や作業場所が異なります。どちらが常に優れているというものではなく、庭の状態や刈りたい草に合わせて選ぶことが大切です。
この記事では、ホームセンターに25年間勤務し、現在は店長を務める私が、ナイロンコードとチップソーの違い、向いている場所、安全上の注意を初心者向けに解説します。
結論|庭まわりはナイロンコード、硬い草や広い場所はチップソー
結論からいうと、塀や縁石などの障害物が多い庭ではナイロンコード、硬い草や密集した草を効率よく刈りたい場合はチップソーが候補になります。
- ナイロンコード:柔らかい草、芝、障害物の多い場所向け
- チップソー:硬い草、背の高い草、密集した草、広い場所向け
- 両方使いたい人:刈刃を交換できる対応機種を選ぶ
ただし、ナイロンコードでも小石などを強く飛散させることがあります。「金属の刃ではないから安全」と考えず、どちらを使う場合も保護具と飛散防護カバーが必要です。
ナイロンコードとチップソーの違い
ナイロンコード
高速回転するナイロン製のコードで草をたたき切る方式です。
柔らかい草や芝を刈る作業に向いており、塀や縁石、樹木の周囲など、金属刃を当てたくない場所でも使いやすいのが特徴です。
一方で、硬い草や太い茎を刈る作業には時間がかかります。使用中にコードが摩耗するため、コードの補充や交換も必要です。
チップソー
円盤状の金属刃の外周に、硬いチップを取り付けた刈刃です。
硬い草、背の高い草、密集した草を効率よく刈りやすく、畑や空き地など、ある程度広い場所の作業に向いています。
ただし、刃が石や切り株などに接触すると、刈刃が跳ね返る「キックバック」が起きる場合があります。刃の欠けや摩耗も確認しながら使用しなければなりません。
ナイロンコードが向いている人・場所
ナイロンコードは、次のような人や場所に向いています。
- 自宅の庭や住宅地で使用する人
- 柔らかい草や芝をこまめに刈りたい人
- 塀、縁石、樹木などの障害物が多い場所
- 金属刃を障害物へ当てたくない人
- 仕上げ刈りをきれいに行いたい人
特に、チップソーでは作業しにくい壁際や縁石付近の仕上げに便利です。
ただし、地面へコードを当て過ぎると、小石や土を飛散させやすくなります。コードを必要以上に長く出したり、指定外の太さのコードを使ったりせず、必ず本体の取扱説明書に従ってください。
チップソーが向いている人・場所
チップソーは、次のような人や場所に向いています。
- 背の高い草や硬い草を刈りたい人
- 草が密集した場所を作業する人
- 畑、空き地、広い敷地を刈る人
- 作業効率を重視する人
- 草刈機の操作にある程度慣れている人
草が伸び過ぎた場所や、ナイロンコードでは何度も往復しなければならない場所では、チップソーの方が効率よく作業できる場合があります。
ただし、石、金属片、切り株、フェンスなどへ刃を接触させないよう、作業前に周囲を確認してください。
ナイロンコードの注意点
ナイロンコードには金属刃がありませんが、飛散物への注意が必要です。
国民生活センターの再現テストでは、ナイロンコードカッターによる小石の最大飛散距離が約35mに達した例が報告されています。
作業前には小石、針金、空き缶などを取り除き、周囲に人や車、窓ガラスがないことを確認しましょう。
また、ナイロンコードは消耗品です。切れ味が落ちたと感じたときは、コードの長さや摩耗状態を確認してください。
チップソーの注意点
チップソーを使用するときは、刃の欠け、ひび、曲がり、摩耗がないか点検します。
石や切り株などへ刃を当てると、キックバックが発生する場合があります。刈刃の先端部を障害物へ不用意に当てないよう注意してください。
国民生活センターの試験では、チップソーで小石が大きく飛散しなかった一方、破損したチップが飛散する場合が確認されています。
少しでも異常を感じた刃は、そのまま使い続けず交換してください。
刈刃を交換するときの注意点
すべての草刈機で、ナイロンコードとチップソーの両方を使用できるわけではありません。
次の項目を確認してください。
- 本体が使用したい刈刃に対応しているか
- チップソーの外径と取付穴のサイズ
- 使用できるナイロンコードの太さ
- 専用の飛散防護カバーが必要か
- メーカー指定の取付部品がそろっているか
機種によっては、チップソー用とナイロンコード用で飛散防護カバーを交換する必要があります。
「取り付けられそうだから」という理由で使用せず、必ず本体と刈刃の取扱説明書を確認してください。
安全装備はどちらでも必要
ナイロンコードとチップソーのどちらを使う場合も、次のような装備が必要です。
- 保護メガネまたはフェイスシールド
- 長袖・長ズボン
- 防振手袋
- すね当て
- 安全靴
- 必要に応じてヘルメットや耳栓
作業前には障害物を取り除き、飛散防護カバーを正しい位置へ取り付けます。刈刃に草が絡まった場合は、必ず本体を停止してから取り除いてください。
安全装備については、関連記事「草刈機に必要な保護具7選|初心者がそろえる安全装備」で詳しく解説しています。
迷ったときの選び方
最後に、用途別の選び方をまとめます。
庭や住宅地で使う
柔らかい草が中心で、塀や縁石などが多い場所ならナイロンコードが候補です。ただし、周囲への飛散対策は欠かせません。
畑や広い敷地で使う
硬い草や密集した草を効率よく刈りたい場合は、チップソーが候補です。
1台でさまざまな場所を刈りたい
ナイロンコードとチップソーを交換できる対応機種を選びましょう。購入前に、使用できる刈刃と必要な飛散防護カバーを確認してください。
まとめ|草と作業場所に合わせて使い分けよう
ナイロンコードとチップソーには、それぞれ得意な作業があります。
- 柔らかい草や障害物の多い庭:ナイロンコード
- 硬い草や密集した草、広い場所:チップソー
- さまざまな場所で使う:両方に対応した機種
ナイロンコードだから安全、チップソーだから危険と単純に分けることはできません。どちらも飛散物や機械への巻き込まれに注意し、保護具を着用して使用しましょう。
自分の作業場所と刈りたい草を確認したうえで、用途に合った刈刃を選んでください。
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